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北海道の七夕は8月7日です 

「こんばんは」

「こんばんは」

夜のあいさつ.

上と下.

「今宵,そちらはどうですか?」

窓辺に立った少年が問うと,

「今日は風が強いです」

と,星が答えた.

「おほしさま,うちへ遊びに来ませんか?

今日は風が強い」

「ええ,ありがとう.

でも,今日は大切な日.

もう少しここで待ちます」

星は輝きを一層増して,

シャン,と体を震わせた.

「そうですか.

くれぐれも無理はなさらずに」

少年は頭をフッと振って,

再度星に言った.金の粉がはらりと落ちた.

「無理をなさらずに.

来るといいですね」

星はポッと顔を赤らめ,

「ええ,ありがとう」

そう答えると,リンと震えた.

金の粉がはらりと落ちた。

「それでは.良い夜を」

「ええ.良い夜を」

窓がトタッと閉まった。

NEC_4605.jpg
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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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七夕祭りに行ってきました 

昨日七夕祭りに行ってきました。


旧暦の暦では7月7日なのですが、今は月遅れの8月7日に七夕祭りをするところも多いようで。

 

写真撮ってこようと思っていたのですが、忘れていました。

短冊的なのは年々しょぼくなっています。今年はかなりしょぼかったです。

感想を言うと……







めちゃくちゃ濡れました。

それしか覚えていません。

そういえば、わたしが七夕祭りにいっている間に、大雨警報が出たようで。

友達のスマホの天気予報で雷雨ってなってました。

こんな感じに↓CLICK!!!
6s6tk74766y7w712_IMG1539.jpg

いやすごかったですよ。自転車ですからね。この雨の中。

おかげでスガイディノスの前で立ち往生してしまい、中で警備員のおじさんとお話してました。

アレ、スガイディノスて本州の方にもありますかね? ゲームセンターとかカラオケとかボーリングとかのアレです。

ホント死ぬかと思いました。

楽しかったですけどね(笑)


帰りに本屋によって漫画読んでました。友達が。

友達を本屋に近付けてはいけないということをわすれていましてね。

見事に没頭されて、わたしも隣でパラパラ捲っていました。

あまり少女漫画?には興味がないのですが、夏目友人帳めちゃくちゃ面白かったです。

今日は家で宿題をやっているので、

絡んでくださるといつでも対応します。

それでは。





追記の方に、【北海道の七夕は8月7日です】の記事の続きのようなものを載せたので、もし見てくださるという方がいらっしゃれば嬉しいです
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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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毎日続けたらよくなるかな? 

「おじさん,おじさん」


地面に近いところで,高い高い声がした.

星売りだった男が振り向いて下を見ると,そこには一本角の鬼の子がいた.


「なんだ,鬼の子. 私は爺ではない」


男は鬼の子を見降ろした.

見降ろしたときに頭から金の粉が落ちた.

それは星のかけらだったが,鬼の子が知る由もなく,

驚いて駆け寄り,粉に触れた.

触れたところが花になって散った.


「おじさん,これ,わしにくれんかの?」

「ああ,いいとも. いらんものだ.

それと爺ではない. 私の名は……」


「名前は?」


男は考えたが,解らなかった.

知らぬうちに,尾がシュッシュと揺れ,鬼の子を遊んだ.

男は少年で,星売りであったが,名を持ったことは一度もなかった.


「しかたがない. 爺で良い. 

しかし鬼の子よ,父の元に帰らぬのか?」


「父はない,母もない,わしには誰も居ぬ」


鬼の子の毛が逆立ち,グンと風が吹いた.

風が吹いたところに芽が出て花が咲いた.

男はジイと見ていたが,やがて鬼の子のかすかな高い高い声が聞こえ目を外した.


「おじさん,わしな,頼みごとがあるんだが」


「何だ,言ってみろ」


「わしな,祭りを見に行きたい」


男は一時動きを止め,フッと尾を弄ると,星のかけらがハラハラと落ちた.


「金はない」


「光るものでいいんだと. これがあるだろう?」


そう言って鬼の子は,目をキラキラさせてかけらに触れた.

触れたかけらは花になって散った.

それを見て鬼の子は涙を流した.

流した涙が地に着くと,そこに緑があふれた.

男は鬼の子の一部始終を見て,最後にフッと笑った.


「案内しろ. 私は場所を知らん」


鬼の子はパアッと顔を輝かせて男に近づいた.

その時に鬼の子から粉が出て舞った.それが男の尾に付いた.

そうすると,星のかけらがポンと,花になって散った.


「お前は触るな. 私が持つ」


鬼の子と男の姿が星の光る屋台の方へ消えた.

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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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さて、誰か題名を考えてはくれないだろうか? 

「おじさん,あれだ. わしはあれがほしい」


鬼の子は男に近づき,かけらに触れようとした.

男はその様をチラと見,ヒュッと尾を振った.

鬼の子は尾が消えたものだからトテッとよろめき,転けた.

転けたところに花が咲いた.


「鬼の子よ,少しは学べ」


男はそう言って,フッと鬼の子を見降ろした.

見降ろした先で鬼の子は,ツウと涙を流した.

流した涙は地で芽を出し,小さな花畑を作った.


「おじさん,わしな」


鬼の子は地に両の手をつき,地を一握りサラッとすくった.


「何だ」


男は鬼の子の小さな小さな両の手をジイと見ながら言の葉を返した.


「わしが触れたモノは皆,花になってしまう. 

草葉になって,末枯れてしまう.

わしはそれが,すごくいやだ」


鬼の子の手の中の地は,既に林だった.

林に鬼の子の涙が垂れて,小さな森になった.

男は森をジイと見,あんまりジイと見たものだから,

森にぽっかり穴が空いた.

ぽかりとあいた穴に涙が落ち,湖になった.

湖に3滴涙が落ちて,湖が渦を巻いた時,男は静かに答えた.


「鬼の子よ,確かにそれは悲しかろう」


男の言の葉が風を呼び,湖に星を降らせた.


「しかし,それがどうだというのだ.

それがお前の定めではないか.

鬼の子,お前の両の手,その中に樹海があるだろう? それは生あるものだ

お前は星に触れられない. 

だがその代わりに,星を生むことができるのだよ」


湖には星がつもっていた.

鬼の子はジイと両の手を見,トッと丸めて,宙に放した.

放したそれは靄をたなびく,小さな小さな星になった.


「鬼の子,祭りに戻ろうか. 

どれが欲しいのか,未だ聞いていなかった」


鬼の子はコクと頷くと,差し出された男の手に,チョンと手を重ねた.

重ねた手から,蔓が出た.

鬼の子はうろたえ,手を引こうとした.

引こうとした手を男は戻し,何事もないように手を握った.


「鬼の子,上でお前の父に出会った」


鬼の子はピクリと耳を立て,男をジイと見た.


「星をただ一心に生んでいたよ」


蔓はいつの間にか消えていた.

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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: オリジナル小説 - ジャンル: 小説・文学

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星恋詩 になりました!! 

「鬼の子,もう良いだろう?」


鬼の子の手の首に,五ツ目の紐を括って,男が言った.

紐の先には天の魚がいた.

天の魚は跳ねて,小さくて大きな星のあぶくを出した.

鬼の子は魚をジイと見て,ツツンと一つに触れた.

触れたところから,トクトクと花があふれ,小さな小さな星になった.

鬼の子がフッと息を吐くと,星は天へ還った.


「おじさん,わしはアレが見たい」


「アレ? アレはただの織物だが」


「アレは母様も作っていた. だから……」


鬼の子はそういうと,トクッと涙を流した.

流した涙は芽を出して,花になった.

男はそれをチラと見,鬼の子の手を取り歩き出した.

蔓はもう出なかった.

屋台の前まで来た時,男は小さくあっと声を上げ,言の葉を紡いだ.


「これはこれは」


男がそれだけ言うと,屋台の女はフッと顔をあげた.

顔をあげたときに星が出た.

その星を鬼の子が遊び,花にした.


「そなた……星売りか?」


「ええ. 久方ぶりです,物織りの姫君」


姫は驚いて星を三ツほど出した.

鬼の子はそれを見て,二ツを花にした.

一ツは鬼の子の手を逃れ,男にあたって砕けた.


「鬼の子,少し静かにしろ」


鬼の子はとたんに黙り,花は末枯れた.

それをジイと見ていた姫はスックと立ち上がり,鬼の子にズイと詰め寄った.

鬼の子は驚いて花を出した.

その花は姫の星とコツンとぶつかり合って儚く消えた.


「そなたによく似た一本角の鬼,天で星を生むのを見たことがあるが……あれはそなたの父だな?」


鬼の子はあまりの驚きに星を出し,コクッと頷いたときに蔓が出た.

静かに織物を見ていた男は,蔓にチラと目を向けたが,すぐにサッと目を戻した.

耳だけはピクリと姫へ向けていた.


「そなた……父と共に,天で星を生むのはどうだ? 

我が,天まで送ってやろう」


鬼の子はツイと男の方を見た.

男が無言で小さくコクと頷くと,鬼の子は姫の生んだ大きな大きな星に乗った.

乗る時に星から粉が落ち,男の頭に降った.

星はサララと昇って行った.


男はまた,ひとりになった.


祭りの音がリラと響いた.


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テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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星恋詩 hoshikoiuta 

リンリラリラトン リラリラトン

祭りの音が,小さく大きく高く低く響いた.

男はひとり,屋台の間を歩いていた.

トンと歩くと星が落ち,後に童が群がった.

男はチラと振り向くと,大きく尾を振り,星を出した.

シャラシャララと降る星のかけらに,童はますます群がった.


「おじさん,ありがと」

「ありがと」

「ありがと」


童はワラと群がると,もみ合いもみ合ってかけらを取った.

かけらを取った童は屋台へ駆け出し,

駆け出し,駆け出し,やがて男は独りになった.

男はフッと天を仰ぐと,また尾を振って歩き出した.

リラ,と音がやみ,屋台は後ろへ消えた.


「やあやあやあ」


太くて低い,高くて細い,光のような闇のような,

ドウとした声が,響いて響いて地が震えた.

男は止まり,周りを見た.

見たときに頭が揺れ,尾から星がシャンと出た.

あたりは闇と,星と地で,男はまた歩き出した.


「やあやあやあ,貴方ですよ. 獣の尾の殿方」


男はピクと耳を立て,声のするところを見た.


「お前は,何?」


「手前は,闇であり光であり,空であり海である……,手前にも良くわかりませぬ」


その“無である有”はへコと礼をし,スイと腕を出してアクシュを求めた.

腕の先は波と雲のような何かがサラサラと流れていた.

男はスッと手を出し,その腕の中に手をヌッと沈め,アクシュをした.


「お前は下から来たのだろうな」


「ええ. 地の下の深い深いところから,手前はやって参りました」


「何をしに来た?」


男は,ユラと揺れる“無である有”の腕をジイと眺めながら言った.

腕は闇と光が溶けあい溶けあい,中で渦を巻いていた.


「祭りの音が,聞こえたもので. 

もうひとつは,貴方,獣の尾の殿方に会いに」


「私に?」


男はピクと耳を立て,ズイと尾を立てた.

尾を立てたときに星が飛んだ.

その星を“無である有”が吸収した.

渦に座れる時,シャララ,と祭りと星の,音がした.

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テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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星恋詩 

最初:星恋詩Ⅰ
前:星恋詩Ⅵ






「手前には,二つの姿が在るのです」


静寂.祭りの灯が,儚く男の横顔に映った.

“無である有”は,ソレを流し見,目を伏せた.


「二つ? どう見ても一つだが」


男は“無である有”をジイと見つめ,一つ大きな瞬きをした.


「それでは,お見せしましょうか」


“無である有”は,そう一つ呟くと,静かにその渦巻いた腕をもたげた.

渦と波と雲が,一度儚く光り,男が目を細めた.

ツツツツツ,と辺りに音が,響き響き.

“無である有”の姿は,星を振りまく姫の姿となっていた.

男はビクリと一歩下がり,トトンと三度瞬きをした.

それから其の場にひざまずくと,静かに静かに言の葉を紡いだ.


「どうかご無礼をお許しください,美しき星の姫君」


「顔をお上げ,律儀な獣の子よ.

私は富を求めてしまったがために,下へ落とされてしまった.

私には,あの姿の方が似合っているのさ」


姫はフッと儚く笑い,遠く天に瞳を向けた.

男はそっと顔を上げ,その儚く凛とした横顔を見た.


「何故,私などの所へ」


「一人,天から落ちてきたと,星の噂で聞いたものでね.

こうして足を運んだまでさ」


姫はそう言い,男の前に腰をおろし,ジイと男の瞳を覗いた.

男は一度,腰を引いたが,ハタタタと七つ瞬きをして,静かに座りなおした.


「獣の子,自我を失ってはいけないよ.

常に,一歩下がって見渡せばいい.

お前はまだ若い.一度の欲もまた,成長の蓄えとなるだろう.

自ら信ずることのできる,自分を探しておいで」


姫はそう言うと,儚く微笑み,星のかけらを振りまいた.


「後悔をして,足掻くことができたなら,それは後に喜びとなるだろうね.

一番辛いのは,何もすることができず,其の後悔の為に何度も振り返らなければならない時さ.

動くことのない時間が枷となり,キオクの闇に幽閉されるのは心憂い」


男はジイと姫の儚げな瞳を覗き,其の中にある闇と光が激しく渦を巻いているのを見た.

其の瞳が静かに閉じられ,静寂.

天の星が,音も無く瞬いた.


「ですが,どうすれば……」


男が静寂を破り.また時間が動き始める.

姫はパッと目を開け,微笑んだ.


「歩けばいいさ.

彷徨い続け,沢山のモノを見,沢山の生と出会えば,きっと自分を手に入れられるよ」


それから姫は,フッと静かに立ち上がり,其の腕にヨクワカラナイナニカを渦巻かせ.

男が立ち上がる暇もなく,踵を返した.


「それだけを伝えに来たのさ」


言の葉が静かに紡がれ,星を振りまきながら.

姫の姿は闇に消えた.


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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 詩・想 - ジャンル: 小説・文学

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引き続き・5000記念 兼…… 

こんばんは。

今日で講習が無事に終わり、冬休みとなりました!

メリハリのある冬休みにしたいと思っております!!


其れに、テンプレートを久しぶりに変えてみたのですがどうでしょうか?



さて、前回に引き続き、キリ番リクエストのこと。

星恋詩 御題・雪  

で御座います(^^ゞ


其れから、このままだとステルラに乗せようとしていた駄文の、執筆が終わらないかもしれないので、

5000記念兼ステルラ用 にします(・・;)


もうひとつ。本当に申し訳なのですが、星恋詩の定番のあの絵、今回描くことができなかったのですよ!!!!

わたし的には、アレが無いと星恋詩じゃあ無いくらいのテンションなのですが、今更ッ!!



ということで、長い言い訳という名の前置きでしたm(__)m



続きから読む、で御進みください……

stella white12
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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: つぶやき - ジャンル: 小説・文学

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書いて頂きました!!!! 

こんばんは。

scribo ergo sumの八少女 夕さんが!

星恋詩を書いて下さいました!!

夕さんのブログ一周年企画、「scriviamo!」に出させていただいたのですが(しかも遅れてしまって……申し訳ないです)


もう本当に素晴らしくてですね! 

其れから色々な事を考えながら、毎日読ませていただいているのです。

やはり、自分の世界で読めますから想像もしやすいですし。


本当にありがとうございます!!



其れから、最近絵面が変わって来ているので星恋詩の絵が描けなっては困ると、絵を描かせていただきました。

私の勝手なイメージですので、あまり気にしないでください。



やはり、星恋詩のほうでも絵面が変わっていてですね。

なんだかちょっと違うな、という感じなのですが……

アレですね。星売りが少々イケメン?寄りに?




其れでは、リンクに載せさせて頂きます!!


【小説】星売りとヒトデの娘 — 『星恋詩』二次創作
名称未設定hosij

カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: イラスト - ジャンル: その他

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星恋詩Ⅶ 

stella white12



今回の話を書く際イメージした曲。宜しければBGMにどうぞ







男は歩いていた.

姫の残した星の欠片を一つ,カラカラと手の上で転がし,闇の中を独り歩いていた.

男の尾が揺れる度,其処には淡い光が生まれた.

其の先に羽を持つ小さな獣が集まった.

男は初め,気にする様に振り返っていたが,今では時折シャララと尾を振るだけだった.

しばらく歩くと,闇の先にかすかに淡い光が見えた.

淡い光は男の手の中の星の欠片よりも煌めいていた.

男は一度振り返り,群がっていた獣を暫し見つめた.

そうして,シャララと尾を振ると,光の方へ向かって歩いた.


光の元は,湖だった.

其処は,天の川に等しく澄んでいて,澄んだ新橋色だった.

広く底の無い,岩と水草が処々に在る其の湖は,サラサラと波を打ち,時折小さく煌めいた.

只,其処で動くものは水だけで,男の尾に群がっていた獣達も一つ残らず消えていた.

男は静かに息を吐き,何度か大きく尾を振った.

尾から幾つか星が出て,誰にも触れる事無く水へ沈んだ.

泡が三つ,弾けて消えた.

其れを男はジイと見て,暫く動かず見ていたが,きびすを返して湖畔を離れた.


「獣を見るのは久方ぶり.此方へいらっしゃいよ,獣の子」


数歩歩いた時湖から声が聴こえた.

男は立ち止まり,一度地面へ目を落とし,一息吐いて振り向いた.

声の先には,岩が一つ在り,其処に一人,鱗を持つ水の乙女が座っていた.


「此の辺りは人気が少なくて.誰も通らないの」


そう言って乙女は肩をすくめた.

乙女は一枚の布を纏っていて,其れは七色に色を変えた.



「少しお話しましょうよ.此方へいらっしゃって」


乙女が優しく手招きをして,男が小さく眉をひそめた.

乙女の尾が水を掻き,サラサラと湖が波打った.

男は一歩退き,近くの岩に腰かけた.


「断ろう.此方に住む乙女は,獣を喰らうと聞いたものでね」



「あら,利口なのね,獣の子.其の知識は上で手に入れたのかしら?」


乙女は男の尾に光る星の欠片を見,天を指差しそう言った.

男は僅かに眉を寄せ,天を見上げて呟いた.


「お前が知る必要はないだろう」


フフと乙女が小さく笑った.

其の笑い声は高く響き,不思議な反響を生んだ.

男はフッと天を見上げ,小さく顔をしかめた.


「貴方は正しいわ,獣の子.確かに私は獣も食べる.只,喰うのは身体じゃないのよ」


ニヤリと乙女が,子供の様に笑った.

男は一瞬首を傾げ,直ぐに嗚呼,と呟いた.


「……心か」


「ええ,賢いのね.心に生まれた『悲しみ』を,私は喰って生きているの.

其れから.貴方の心泣いている.見るに堪えないほどにね.気が付いているのかは解らないけれど.

お願い,其の悲しみ私に食べさせて頂戴よ」


乙女は男に乞う様な,けれど遠慮する様な顔をして,尾で水を掻き,手で水を掬った.

掬われた其れはシトシトと手からこぼれ,水面に着く前に宙で消えた.

男は静かに其れを見つめ,尾を振り一つ星を放った.

星は小さく震え,水に呑まれ消えた.


「喰われると,どうなるのだ」


「私が食べた,全ての悲しみが消えるわ.

貴方にも,私にも良い話だと思うけれど」


乙女はそう言って首を傾げ小さく笑った.

尾が小さく光り,鱗がリラと靡いた.

男は少し驚いた顔をして其の尾を見つめ,目を細めた.


「私の此の悲しみは,私の今までなのだよ乙女.

私は此れを,忘れる訳にはいかないのだ」


聞いた乙女は目を開き,フッと悲しい顔をした.

乙女の鱗が一枚剥がれ,小さな歪んだ星になった.

小さな星は宙に浮き,天へ届く前に粉になって消えた.


「固い人ね.相変わらず」


乙女は呆れたように呟いた.只,聞く前から其の事を知っていたようでもあった.

でも,と乙女が呟く.


「其れじゃあ此処では生きて行けないわ」


「それでもいいさ.私には私の,すべき事がある.

其れには此の悲しみが必要なのだから」


男は少し,悲しげな顔をした.

其の目はジッと乙女を見ていた.


「其れでも最後は,私の様になるのよ」


乙女は吐き捨てるようにそう言うと,鱗の光を手で払った.

光は一瞬宙に煌めき,直ぐに粉となって消えた.


「落とされた者は皆,お前と同じ道を辿ると誰かが言ったのかい?

全てを終えた後に,私がお前のようになったのなら,其れは又運命として受け入れよう.

何も始めていないのに,お前と同じ道を辿ろうとは思わないがね」


「そう…….そうね.貴方がそう言うのなら」


儚げに乙女が笑った.自らを笑った様でもあったし,男を笑った様でもあった.


「御免なさいね,邪魔をして.先へ行くのでしょう?」


「目指すモノは無いがね.止まるわけにはいかないのだよ」


男は幽かに笑い,尾を振り星を三つ放った.

三つの星の二つは水面に呑まれて消え,残った一つは宙を舞い,乙女に当たって融けた.


「上に居た頃の貴女は,其の美しい声で私に唄を歌って聴かせてくれた.其の歌声が,私は好きだったよ」


乙女はフッと笑い,天を見上げ目を閉じた.


「そう,ありがとう」

「御達者で」


乙女が小さく手を振り,男が静かに礼をした.


「有難う.貴方も」


男は踵を返し,湖を後にした.

辺りに,切ない,しかし清らかで美しい歌声が響いた. 




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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 自作小説 - ジャンル: 小説・文学

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星恋詩Ⅷ 鬼の話 

こんばんは。

前回の星恋詩を更新してから3カ月も経ってしまいました。


今月はやたらぶっ飛ばして書いてます……!

なのに私の小説のキャラがことごとく、対談バトンとか向いていなくて悲しくなります。


画力と反比例して、書いた小説の量と反比例して、

下がるのは……



学力!


いや、しかし、まだだ!

最近は学力も伸びているようだ!



これは……

上げて落とすパターンかッッ!!!


ち、ちくせう!!





はい、星恋詩はじまるよーーーー!(笑)










【今回はリンクする話があります。初めて読まれる方はこちらから】



男はまた,歩いていた.

乙女と別れてから,男は時折つと立ち止まり天を見上げた.

そしてまた,ゆっくりと歩き出した.

天から届くのは僅かな光で,辺りは深い闇だった.

男はかつて此処に居て,時折顔を覗かせる星達と話をしていた.

大きくため息をつき尾を小さく揺らし,星を数個地へ散らす.

地へ落ちた星は低く舞い,ナニカにぶつかって弾けて消えた.

ナニカはカラカラと音を響かせて,幽かな光を出しながら転がって行った.

其れを始終見ていた男は,転がっていくナニカを目で追い,

三度ゆっくり瞬きをした.

首を傾げて前を向き,男がまた歩き出す.

遠くでまた,カラカララと音が響き,幽かな光が闇を踊った.

何処からか転がってくる其れを拾おうと,男が屈んで手を伸ばすと,

触れたところが一層光り,やがて溢れて弾けて消えた.

後には星の欠片が残った.

また,音が響く.


カラカラカラ

高く深く

カラカララ

遠く響く


耳を澄ませて目を凝らし,

男は音の主を探った.

シャラと尾が振れる.

男が見つめた闇の向こうには,幽かに淡い光が揺れていた.

不定期にカラカラと音が響き,ナニカが他方に転がる.

男はシャララと尾を振りながら,其処へゆっくり歩いて行った.



歩くうち,カラカラという音は大きくなった.

そのうちカラカラに小さなシャラと言う音が混ざった.

幽かな淡い光の中に,ヒトカゲが揺れた.


「嗚呼,貴方ですか.今晩は,星売りさん」


ヒトカゲは一本角の鬼だった.

鬼は男に背を向けたまま,何やら手を動かして,肩越しに男を見て微笑んだ.


「私の事を御存知なのですか?」


男は鬼の手を見つめ,不思議そうに問うた.


「ええ.貴方は此処らでは少々有名ですよ」


鬼はもう男を見て居なくて,手を動かしながら答えた.

鬼が手を広げると,淡く光る欠片がカララと転がった.


「私はもう,星売りではないのです」


「おや,では何と呼べば良いでしょう?」


やはり鬼は振り向かず,手を動かしていた.

男は暫く考え込んだが,解らなかった.

男が黙ってしまうと,鬼は手を止め男へ向き直った.

カララという音は止み,淡い光が消えた.


「私にもよく,解らないのですよ」


「解らない?」


鬼が訝しげに眉を顰めた.


「私は,私が何であるのか解らないのです」


男が視線を落とす.

シャララと星が三つ落ちた.

黙って聞いていた鬼は,只ジッと其れを見ていた.

星が弾けて消えるのを見届けると,鬼は地面に腰を下ろした.

乾いた土がカサリと笑う.鬼が促して,男も横に座った.

鬼は男を見つめて,ゆっくりと口を開いた.

低くなく高くない,凛と響く声.


「貴方は祭りで出会った鬼の子を,天へと渡したそうですね」


「嗚呼,御存知でしたか」


「ええ.あの子の父は,天で星を創る数少ない鬼の一人です.

僕達の中では,中々有名なのですよ」


男が天を見上げる.

遠くでリンと星が歌った.

鬼の子の父が天で星を創る様を,男もかつて見た事があった.

鬼の子は男が会わせた織り姫に連れられて父の元へ昇っていった.


「鬼は皆,星生みの力を持っています.

只其れは天で創ったものでないと,完全なモノにはならない.

だから,鬼たちは皆天へ昇る事を願い,天へ昇った鬼達を誇りに思うのです」


そう言って,鬼は手で星を創って見せた.

其れは大層不格好で,カラカラと鳴りながら淡い光を放って居た. 

鬼に渡された星を受け取ろうと男が手を伸ばすと,

星は男の手をすり抜けて地面を転がって行った.

男が首を傾げると,鬼は声を上げて笑った.


「あの子は,父から譲り受けた強い力を持って居たけれど,

僕達がどんなに教えても,上手く星を創る事が出来なかったのです」


嗚呼なるほど,と男が呟いた.

男の尾が振れ,シャラと星が舞った.


「けれど貴方は,あの子に何かを伝え,天へと送り出してくれた」


「私は何もしておりませんが」


男が淡々と答えると,鬼がクスリと笑った.

男が眉を顰めて鬼を見た時,鬼は天を見上げていた.

男も天を見上げる.

星が一つ,此方を覗いていた.

男がジッと見つめると,星は隠れて見えなくなった.


「貴方は元々此処に居て,また天から堕ちて来たのだと聞いています.

ずっと旅をしているそうで」


「何でも御存知なのですね」


男が小さく笑った.

目は遠くを見つめていた.


「ずっと此処に居ると,色々な事が聴こえてくるのですよ」


鬼も小さく笑う.

遠くで星の音が聞こえた.

風が吹いて,獣の子の遊ぶ音が聴こえた.

何処かで芽の出る音がする.


「僕は此処で,不格好だけれど光を持つ不完全な星達を以て闇を照らします.

其れが此処を通る者達の細やかな道標となるように、と」


鬼は手の中でカラカラと,星を転がし微笑んだ.

星は不格好で,綺麗なモノとは言えなかった.

けれど幽かな光は確かに,暗い闇を照らしていた.


「貴方もそうすると良い.あの子にしてあげた様に,貴方が旅で得たモノを誰かへ伝え,誰かの道標となるといい」


鬼はスックと立ち上がり,大きな,不格好な星を一つ創った.

男も後から腰を上げる.其れを見て,鬼は星をゆっくりと地面に置いた.

光はやはり微弱であったが,他に転がる星達と比べると大層明るく光っていた.

鬼がそっと星を押す.

星はカラカラと転がって,先の道を照らしだした.


「また此処へ来て,何と呼べば良いのか教えて下さい」


鬼が微笑みお辞儀をする.

男も目を瞑り頭を下げた.


「ありがとう」


一度だけ振り返り,尾を振ると星の照らす先へ歩いて行った.



闇にカラカラと星の音が響いた.



一本角の鬼
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カテゴリ: 星恋詩※連載中

テーマ: 自作小説 - ジャンル: 小説・文学

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とある始まりの物語 

こんばんは。

ごめんなさい、過ぎちゃったんですけれど、こっそり置かせて下さい……

とある始まりの物語

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 『父さまは天の お星さまになったんだよ』

 
 そうやって母さまが言ったから、

 僕はずっと 空を見ていた。
 
  
 お星さまは遠くて、手を伸ばしても届かなかったから

 僕はずっと 空を見ていた。

 
 お星さまは沢山あったから、

 その中の一つが父さまという事にして、

 せっかくだから、

 一番大きいお星さまという事にした。


 『父さまを見つけたよ』

 母さまに教えてあげたら、

 母さまは少しだけ笑った。
 

 父さまはずっと光っていたから、

 僕もずっと空を見ていた。 

 
 そうしてずっと空を見ていたら、

 そのうち空に、橋がかかった。

 橋はずんずん伸びてきて、

 やがて欠片が僕へ届いた。

 
 欠片が僕に目配せしたから、

 僕は欠片に登ることにした。

 
 欠片をどんどん登っていくと、

 それはいつしか天へ届いた。


 天はとても明るいところで、

 星の欠片が散らばっていた。


 だから僕はそれを拾って、

 籠に集めることにした。


 籠がいっぱい いっぱいになったら、

 お星さまにあげることにした。

 そうしてその時に一つだけ、

 お星さまに質問をすることにした。


 『父さまを御見掛けしましたか』




此れはとある星売りの始まりの御話。

とある

      
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